今回も教室の残り物を集めて、小品をひとつ。
ストレリチアの葉を踊るように立ててみました。
日本の事情は経験不足で分かりませんが、
海外で生け花をやっていると、時々、難しい人に出会います。
おそらく生け花がその方のアイデンティティの根本になっているような方。
生け花をとったら、何も残らないなんていうことにもなりかねない。
もちろん、熱心で、素晴らしい方が多いのです。
しかし、どうした拍子にか、おそらく自信がないせいでしょうか、
曲がった形でそれが出てくる方があります。
攻撃的になったり、排他的になったり。
一言で言えば、不寛容。
数年前から生け花学習者を対象にオンラインコンクールを
開催しています。
それがちょっとした国際紛争の種になっているのです。
二つの国の、おそらく生け花界のリーダー格同士が
私たちのコンクールへの出品資格を巡って対立。
「世界のすべての生け花学習者」が無料で出品出来る
というのが私たちの趣旨です。
「自分たちの国には華道教師がいない。グループで自主的に生け花を勉強している自分たちも参加させて欲しい」
是非どうぞ、と申し上げたいところです。が、
「生け花学習者とはいずれかの華道流派に属する者である」
という解釈をある国の方はなさる。
そこで前者のグループの方々は出品すべきでない、というのです。
私たちはまもなくこの件について、私たちの立場を公表します。
なんとか調停できるといいのですが。
しかし、なんでこんなことで苦情がでるのかなあと思ってしまいます。
実は、私には心当たりがあります。
同じように不寛容な方に何度か出会っていますので。
おそらく根本にあるのは、「恐れ」だと思います。
恐れに取り付かれると、人は優しさを忘れてしまいがち。
日本でもよく問題になる、いじめ。
その根には同様の構造があると思います。
寛容さを身につける重要さ、難しさ。
いろいろ考えさせられます。