メルボルンの日本レストラン、花菱にて。
さて、6月末に2017年度のいけ花ギャラリー賞の応募を締め切りました。
まだまだ応募数が少ないなと感じます。
この賞の意義、目標などは、国際いけ花学会の学術誌、いけ花文化研究第4号(2016年度版)に書く機会がありました。
http://www.ikebana-isis.org/p/blog-page_1825.html
私の生徒たちはかなり積極的になってきました。
この賞の意義が少しづつ理解されてきています。
いけ花の狭い世界の中だけで活動していくならば、この賞はあまり必要はないのです。
従来のまま、自宅教室で何人かの生徒を教えて細々やっていくということならば。
しかし、海外では若干状況が違います。
1、教室についてもインターネットで検索されます。自分のホームページを作り、自分のCVを掲載することになるでしょう。
2、自宅教室以外の場で教える機会があります。
3、商業花、芸術祭での展示を求められることがあります。
4、芸術展へ出品したい時もあります。
5、メディアに出る機会があります。
こうした状況で常に必要なのが、CVです。
芸術家としての履歴書です。
履歴書に「〜先生の指導のもと、〜年修行した」というくらいしか書くことがないという生け花教師が多いのです。こういう方は海外ではまともにはやっていけないだろうと思います。アマチュアとみなされ、プロとはみなされないでしょう。もちろん、数人の生徒を集めて自宅教室を維持していくということは可能でしょうが、それ以上の活動は難しいでしょう。
本人は「町の生け花師匠」ということでもいいでしょうが、海外ではそのような立場に対する認知はほとんどないのです。「芸術家として、どれほどの人なのだろう」という目で見られるのだと覚悟しなければいけません。
展覧会歴、展示歴、受賞歴、出版歴、メディア歴、などを示して、初めてこの人は本気だなと、認めてもらえるのです(学歴なども記載できれば理想的)。
コミュニティセンター、学校、教会での指導など、ちょっとした指導の機会にもCVの提出が求められます。
ですから、生け花教師は、自分の生徒のCVをどうしたらより充実したものにできるか、活動の機会を広げさせてあげられるか、きちんと考えるべきです。展覧会への出展の機会を与えたり、特別展示の機会を見つけてあげたり。さらに、賞を獲得できる機会を紹介してあげるとか。自分のことだけで手一杯という方も多いでしょうが、自分の怠惰の口実になっていないか、反省すべきです。
賞と言っても、生け花学習者には、そのような機会が少ない上に、受賞に至るのはなかなか大変です。時間もお金もかかります。おそらく海外のフラワーショーなどには参加の機会があるかもしれません。しかし、西洋の商業花と競争していくのは容易ではありません。つい「競争なんて生け花学習者のやることではない」などという考え方に傾くこともあるでしょう。
そこで、お金もかからず、手軽に参加できるのが、この「いけ花ギャラリー賞」なのです。
まもなく、私の生徒の中から、師範取得者が次々に出てきます。
彼女らのCVには、「〜年いけ花ギャラリー賞最優秀賞受賞」という項目が、燦然と輝いていることでしょう(笑)。
彼女らの活動の機会は、きっと増えるでしょう。おそらく、実力以上の機会にも恵まれるでしょう。それがさらなる成長をもたらしくれるはずです。
「いけ花ギャラリー賞」に対する認知はまだまだこれからです。
できるだけ早く、より多くの協賛者が出てくることを願っています。
まずは、海外でいけ花を指導している方々にご理解願いたいと思います。