昭和時代、生け花ブームが起こりました。
そのキーワードは、「生け花は芸術だ!」だったと思います。
生け花は芸術になったのです。
しかし、伝統的な生け花のあり方と、芸術との「いいとこ取り」だったように思います。
日本で起こる文化変容ではよくあるパターンです。
詳しい説明はいずれ私のエッセーシリーズ、「21世紀的生け花考」で取り上げますが。
その結果、
芸術家なのに華道家の看板で活動する人と
華道家なのに芸術家のふりをする人が出てきたのではないでしょうか。
どちらも普段はまともな生け花作品を作っているのに、
展覧会などでは、よくわからない作品を出してきます。
(と、一般の方には見えるのではないでしょうか?)
しかし、前者は現代芸術の文脈を踏まえた作品であることが多いようです。
(典型的な例は勅使河原宏でしょう)
後者は、独りよがりな解釈不能な作品になっています。
この違いはどこから来るのか?
現代の生け花作家の課題の一つはこの辺にもあるように思います。