華道家 新保逍滄

2015年8月13日

一日一華:カーネギー「人を動かす」


歳のせいでしょうね。
以前ほど寛容性がなくなってきたような。
つまらないことにこだわってみたり。

特に気になる他人の欠点は、
かつて自分にもそうした短所があり、なんとか克服したようなもの。
かつての愚かな自分を見ているようで、何ともおさまらない。

最近、あるコンクールの審査員を依頼されました。
一日ボランティアで働くことになりますが、
「私でよければ引き受けましょう」と返事。
しかし、その後のやりとりが不愉快で辞退してしまいました。

「名前これでいいんですよね?」(違うよ)
「博士号持ってるんですか?」(それくらい事前に調べて、お願いするのが礼儀だろう?)
「大学の教師してたんですか?」(このコンクールに関連した本まで出版しているよ)

「ちょっと不愉快ですよ」と直言しました。
すると、「こっちだってボランティアでやってるんですからね」

こんな人達と関わっていられるほど若くはない。
若い時は見下されるような場合も我慢して
いろいろ経験すべきだと思いますが。
辞退決定。
「新保は気難しいヤツだ」とか言われるのでしょうが、
そんなことはもうどうでもいい歳になったように思うのです。

間違っているかもしれませんが、私からすると
この方はおそらく社会経験が乏しいのでしょう。
ビジネス上の手紙の書き方もご存知無い。
大学教師だったらしいですが。
人に頭を下げたことがないなんていう方も時にありますが、
そうした希有なタイプでしょうか?

しかし、ボランティでやってるんだ、などと言う時点で
ボランティアの精神的な部分は吹き飛んでいます。
なにもしないほうがいい。

私自身、いけ花ギャラリー賞を主宰している関係で、
審査員をお願いしたことがあります。

立派な仕事をされている方々から、
ご多忙中ボランティアでご協力いただくわけですから礼を尽くします。
まず、相手のキャリア、バックグランドを調べます。
それをふまえて、貴方のご協力を是非いただきたい、とお願いします。
相手への敬意を示す、
相手がいかに重要な存在であるか、説得する。
さらに、負担を最小限にする工夫をする。
また、充分なお礼はできないものの
サイト上に各審査員の紹介をしっかり掲載する。
ビジネスをお持ちの方はそのサイトへのリンクも表示。
また、ことあるごとにお礼を申し上げる。
その程度の誠意を示さなければいけないでしょう。
その結果、毎年全員の方から
「次年度も引き受けますよ」とお返事いただいています。

カーネギーは「人を動かす」の最初に、人を動かす三原則を示しています。
そのひとつが相手に「重要感をもたせる」

今回、私が感じた不愉快はその原則が欠けていたからです。
それでは人は動きません。
自分の努力や業績を認めてくれる相手のためなら
通常人は喜んで力を貸してくれるもの。
しかし、きちんとした紹介さえしてもらえそうにないとなれば、
人は動かないでしょう。

「審査員なんてだれだっていいんだ。人数合わせだからさ。あんたのこと全然知らないし、興味もないんだけどけど、やりたいならやらせてやるよ」
そこまで傲岸不遜ではないにせよ、それに近いものがあります。

このコンクールに参加する学生は一生懸命なのに、
主催関係者がこんな態度では哀れな感じがします。


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