華道家 新保逍滄

2020年5月5日

生け花エッセー連載70回達成



メルボルンの月刊日本語新聞、伝言ネットに10年近く書き続けた生け花紹介記事の連載が70回で終了しました。100回くらいまで行けそうでしたが。

一度も締切を破らなかったということが少し誇りに思えます。
日本語だけでなく英語にも訳さなければいけないので、そんなに楽ではないのですよ。

私には、多分、そういう粘り強いところがあります。
というか、途中で妥協したり、投げ出したりするのが嫌なのです。
自分でやると決めたら絶対完走する。
中学生の頃、あまり優秀でもない長距離走者でしたが、棄権したことは一度もないです。
おそらく、一度棄権してしまうとクセになるんじゃないかと思うのです。
成人してから特に苦労したのは、博士号。
これも途中で放棄する理由は、日々100以上ありましたが、なんとか乗り切りました。

ただ、エッセーの内容についてはまだまだ至らない点が多いと思います。
自分がわからないことについて書いているのですから。
生け花については知らないことばかりです。
それでも、知っていることを元にして、考えを広げていく、
仮説を作って、それを検証していく、
そうした思考の組み立て方は、訓練してきたので、
その辺りが、もしかしたら面白く読んでもらえる点かもしれません。

間違ったことを書いてもいいんじゃないでしょうか。
今の自分の知っている範囲では、こう考えられます、という態度で書いてきたと思います。それは学術論文でも同じこと。
基本的に学術論文は特定の条件、範囲内での真実に一番近いところを書くわけです。
絶対の真実ではありません。

いけないのは、知的に不誠実な文章。
知的に誠実か否か、この区別ができることはとても重要です。

知的に不誠実な文章というのは、断定表現が多く、真実、真相、絶対などという重い言葉を軽々しく使うのがひとつの特徴でしょう。「〜事件の真相」「愛の真実」「〜芸術の究極的原点」とか。安っぽいジャーナリズムに頻出するタイトルですが、学術書では滅多に使われません。

ともかく、このブログの右欄、トピックの項、「生け花私論」をクリックすると全て読んでいただけます。お暇なときにでもどうぞ。

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