華道家 新保逍滄

2021年6月22日

オンライン花展、花信の発想

 オンライン花展、花信(Hanadayori)の準備が整ってきました。https://www.ikebanafestival.com/news/hanadayori-2021素晴らしいゲスト出展者にも恵まれ、とても幸運な初回開催となりそうです。花信について、まず話したいことは、その発想の原点です。私にとっては少し変わったアプローチでした。何かの参考にしていただけるのか、それは不明ですが、少しお話ししてみましょう。通常、ある製品を開発する際、既存の成功している製品から発想していくということはよくあると思います。例えば、マツダのSUVがヒットした、となると、トヨタはそれとほとんど同じような製品でありながら、少し室内が広いとか、特別な装備を加えるなどして対抗する新製品を発売します。あるいは、あるイベントがあって、そこそこうまくいったという場合、そこからヒントを得て、さらにいろいろな改良点を加えて、発展させ、新しいイベントを企画する、というようなこともよくあると思います。つまり、AからA+を考えていくというやり方です。おそらくこれが普通の製品開発でしょう。今回の花信は、そういう典型的な製品開発とは少し違った方法でブレイン・ストーミングしていきました。オンライン花展をやりたいという発案がありました。それは、いろいろな意味で私達、メルボルン生花フェスティバルにふさわしい、ということだったのです。問題は、いかにやるか、ということ。出発点として、既存のオンライン花展をいくつか見てみました。何かもの足りないのです。でもそれが何なのか、また、どうすればいいのか全く見当もつきません。そこで、A,...

2021年6月19日

外国人に生け花を教える難しさ(5)

 何度もお断りしていますが、外国人の中にはとても生花が上手な方がいらっしゃいます。それはまずきちんと確認しておきたいと思います。それでも、時々、「これは外国人の作品だな、日本人はこういう作品は作らないな」と思うことがあるのです。それが、私の生徒の場合、どのように指導したらいいのだろう、と悩むことになります。ひとつ特徴的なのは、線の硬さ。まあ、例えば、直立不動(気をつけ!)のままダンスを踊っている感じです。不自然で、硬いなあと感じます。詩性も楽しさも感じられません。もしかすると、「生花は自己表現」だという...

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