華道家 新保逍滄

2018年9月17日

役者脱落宣言


前回のポストで私が好きなLove Actually について書いたところ、
思いついたことがあります。

私が役者への夢を完全に諦めた出来事。

役者になろうなどと本気で思ったことはないのですが、
オーディションに来ないかと声をかけられ、出かけて行ったことは3、4回あります。
なかなかギャラがよろしかったのです。

しかし、その最後のオーディションでのこと。
最後というのは、もう2度とオーディションへなど行くことはないでしょうから。

日本の航空会社のコマーシャルのための制作でした。
セリフはなし、経験不要ということでした。
これは私にぴったりだと思ったのですが、行ってみると、要求は、
「君は、日本の禅僧だ。日本庭園を作っている。作り終えた時、自作の庭を眺め、至福の表情を浮かべてほしい」。
これをカメラの前でやるのです。

3回やりました。
諦めました。

私がニコリと笑っても、視聴者は私が自作への満足感を表していると感じ取れるでしょうか?変なこと考えているんだろう、くらいにしか思われないでしょう。

考えてみると、果たしてプロの役者でもセリフなしで、そんな表情を作れる方がありますか?笠智衆さんくらいでないと無理ではないでしょうか?

役者さんの大変さが少し分かったように思うのです。
半端な気持ちでやれる仕事ではないのです。

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