華道家 新保逍滄

2018年9月17日

役者脱落宣言

前回のポストで私が好きなLove Actually について書いたところ、 思いついたことがあります。 私が役者への夢を完全に諦めた出来事。 役者になろうなどと本気で思ったことはないのですが、 オーディションに来ないかと声をかけられ、出かけて行ったことは3、4回あります。 なかなかギャラがよろしかったのです。 しかし、その最後のオーディションでのこと。 最後というのは、もう2度とオーディションへなど行くことはないでしょうから。 日本の航空会社のコマーシャルのための制作でした。 セリフはなし、経験不要...

Love Actually 礼賛

私は映画はあまり見ません。 DVDコレクションも20本も持っていないでしょう。 (もっとも最近、これらに加え、「男はつらいよ」全巻取り揃えましたが) それでも幾つかの作品は、年に1回くらい繰り返し見ています。 その一つは、Love Actually。 日本でどのような評価がされているのかと思って、 幾つか映画評を読んでみました。 共感できる映画評がありませんでした。 この作品はとてもおしゃれです。 成熟した、大人のコメディ。 これを日本人が作れるか、と思うとまず不可能でしょう。 日本で名優とされる方々は、多くは眉間にしわ寄せて人生を語ったり、 怒鳴ったりというような役が多い。 コメディと言っても、ボケとツッコミのやり取りが多く、 どうもいじめの文化かなあと思ったりします。 例えば、Love...

2018年9月3日

外国人に生け花を教える難しさ

以前、「生け花上達のコツ」ということで書き出したところ、外国人に生け花を教える難しさ、という話に変わっていったのでした。今回はその話の続きです。 https://ikebana-shoso.blogspot.com.au/2017/02/blog-post_8.html https://ikebana-shoso.blogspot.com/2017/08/blog-post_9.html https://ikebana-shoso.blogspot.com/2017/08/blog-post_13.html 草月流の場合、5冊教科書があり、1、2冊目は基本型、以後、自由花ということになります。おそらく、日本人にはそれでいいのでしょう。私のクラスでも日本人の場合、あまり問題はありません。 しかし、外国人の場合、このカリキュラムでは5人に1人くらいしか目的のレベルに到達できません。もちろん、これは私のクラスでのことであり、私の指導力不足という限界があるのは承知していますが。 自由花に入っていくと、多くの生徒がおかしな作品を作り出します。しかも、その生徒独特のクセのようなものが毎回表れます。貧弱だったり、色使いが混乱していたり。単に力強いだけだったり。結局、基本が身についていないのでしょう。私が生徒に与えるコメントは、以下のようなものが多くなります。 「綺麗な作品だね。でも、綺麗さを作品の目標にしてはいけない。生け花の原則に則って制作しましょう(これは綺麗な作品だけど、生け花と言えないよ)」 「生け花は数学だ。日本の美学は数学だ。君の作品のどこに数学があるんだ」 「弱い!君は瞑想していない。花と君の間に大きな距離があるんだ。もっと花と話しなさい (だんだんイライラしてきます)」 「花でお遊びして何になる。なんのために生け花やっているんだ!」とまでは、直接は言いません。だんだんコメントが厳しくなっていくのです。 私の生徒作品はフェースブックに紹介していますので、よければご覧ください。 https://www.facebook.com/IkebanaGallery/ そこで対策です。2つほど考えて実践しています。 効果はまだわかりませんので、詳しくは紹介できません。 ただ、ひとつは基本型の徹底復習。 これは不評です。やりたがりません。 しかし、完璧な基本型を作れれば、かなり効果があるのではないかと思っています。 そのような基本型を持てることが流派の最小限の存立条件でしょう。 ともかく、だまし、だまし上級者(実力での上級ではなく、カリキュラム上の上級)にも基本型の練習をさせています。 結果がどうなるか、いずれ報告できるでしょう。 補記:もしかすると、外国人(ことに西洋人)への生け花指導の難しさには、自然観の違いが根本にあるのかもしれません。日本人の神道的な自然観...

2018年 生け花ギャラリー賞

2018年度の生け花ギャラリー賞が発表になりました。 https://ikebanaaustralia.blogspot.com/2018/08/ikebana-gallery-award-2018.html ご察しいただけるように、このプロジェクト運営はなかなか時間がかかります。 生徒作品ということで、まだまだ不十分な作品が多いのですが、 それでも生徒にとっては数万人の方々に自作を見てもらえる機会となる、 さらに 国際レベルの審査員(日本で最も著名な美術館長、兵庫県立美術館長蓑豊先...

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