華道家 新保逍滄

2019年6月9日

メルボルン生け花フェスティバル Update 2



メルボルン生け花フェスティバルのおおよそのところが決まりました。
スタッフは皆準備に取り掛かっています。
しかし、まだ、どうなるのかわからないところがあります。
3ヶ月の準備期間に思いがけない、面白いことが起こるのではないか、
そんな予感があります。

美術修士号くらい持っているキューレーターを入れてみたい、
写真家の卵に写真を撮ってもらったら、出展者は喜ぶだろうなあ、
花の名前の付いた製品を作っている著名香水店に出店してもらえないか、
オープニングには当地のそれなりの方をお呼びできないか、
生け花をもっと面白い形で紹介するワークショップ、アートパフォーマンスを
手配できないか、
オープニングに著名な和太鼓奏者が「とび入りしましょうか」などと言ってくれている、
などなど。

今までの生け花展の多くは、トップダウンだったろうと思います。
上の方が様々な決定をし、メンバーがそれに従う、という。
私が私の生徒やスタッフに言っているのは、「メルボルン生け花フェスティバルはフレームワークなんだ。その中に入りそうなものがあったら、それを盛り上げてくれそうなことがあったらなんでも提案し、自分で企画しなさい」ということ。
さらに、「自分は実行委員長でありながら、二日間とも会場に顔を出せないんだよ」と。
随分ひどいものです。

生け花にはいろいろな面があるのです。展覧会だけで終わる必要はない。
もちろん面倒は増えます。

例えば、私のスタッフに小さなスケールで子供向けのワークショップをやったことがある生徒がいます。彼女に今回はIkebana For Kids の企画、運営を任せました。
内容、料金、全て決めなさい、と。
収益が出たら、少しは運営側に払って下さい。
赤字なら無料だよ、と。
これはビジネスの経験の乏しい人にとっては一つのビジネス予行体験。
さらに様々な法的な部分も整えないと子供向け事業は成り立ちません。
これもいい勉強です。

彼女が一人でIkebana For Kids と言う企画を作り、教会のホールを有料で借り、自分で宣伝しても、利益が出るほどのことにはなかなかならないだろうと思います。
それが、メルボルンの実情です。
「華道師範」と言う看板を出してすぐ人が集まるわけではないのです。
ところが、「メルボルン生け花フェスティバル」と言う、いわばブランドの元、やってもらえば小さな成功体験にしてもらえるのではないか、と思うわけです。
それを将来に生かしてもらえないか。
自分の生徒の華道家としてのキャリアの心配などする必要がないという先生も多いでしょうが、メルボルンという土地柄、多少の配慮が必要かなと感じています。

Ikebana For Kids
私の予想ですが、おそらく前売りチケットは完売するでしょう。
「メルボルン生け花フェスティバル」はかなりの観客動員力を持っています。
その点では少し特異なイベントです。
https://waikebana.blogspot.com/p/program.html

Shoso Shimbo

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