華道家 新保逍滄

2017年11月2日

一日一華:レストランに


To cling to some outdated notion of artistic autonomy, individualist creative freedom,  or transgressive and free avant-garde identity, divorced from any duty or responsibility for environmental considerations, is to advocate, intentionally or not, for the status quo of neoliberal exceptionalism and its destructive ecoside.  (T. J. Demos, 2016: 265, Decolonizing Nature)

ここも最近、ちょっと感心したというか、興奮した本の一節。

環境の問題に目を向けないで、
創造の自由だとか、前衛だとか
芸術家気取ってんじゃねえよ。
そういうのは、結局、環境破壊に肩入れしているってことなんだよオ。

と、まあ、喧嘩口調で訳したくなるような部分ですね。

実は、これ、私が秘かに感じていることなのです。
口には出せませんが。
現代芸術に対して、そして、いけばなの世界に対しても。

自分の作品を通じて、静かに、そして強く
伝えていきたいことがあります。

最近、私の彫刻作品が現代彫刻展で、ある賞を受賞しました。
http://www.shoso.com.au/2017/10/contemporary-sculpture-award-for-shoso.html

嬉しかったのは、審査員による私の作品の分析が実に深かったこと。
ここまで読み取って下さるのか、と感心しました。

賞金もありがたかったですし、
外国の芸術の土俵で評価していただけたという感慨もあります。

海外で芸術家としてやっていくというのは、
力のない者にとっては常に疎外されているような気持ちになりやすいもの。
ですから、この受賞は特別でした。

それにも増して、分かってもらえた、
自分の言葉が通じたという満足感は大きいものでした。

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