華道家 新保逍滄

2017年5月31日

書評「超・美術館革命:金沢21世紀美術館の挑戦」(角川書店) 

前回のポストでも紹介しましたが、蓑先生のファンの一人として、「超・美術館革命:金沢21世紀美術館の挑戦」は、多くの方にぜひ読んでいただきたい書物です。 この本は、 芸術、美術館のあり方に関心のある方はもちろん、 地域振興の方法を考えておられる方々、 教育、人生に関心をお持ちの方々にもお勧めしたいです。 さらに、いい商品を持っていながら、売れないという マーケティングの悩みをお持ちの事業主にも参考になるでしょう。 アマゾンに書評を載せようとしたのですが、できませんでした。 私は日本語の書物をアマゾンか...

2017年5月26日

金沢21世紀美術館特任館長蓑豊先生にお会いして

 今年4月、神戸で開催されたインターナショナル・アカデミック・フォーラムの学会で、初めて蓑豊先生のお話を伺いました。兵庫県立美術館長というご紹介でしたが、金沢21世紀美術館の特任館長。金沢21世紀美術館へは、2年前に初めて行ったのですが、とても印象的でした。  金沢21世紀美術館ができて以来、石川県の学生の学力は向上の一途。昨年はついに日本一になったと。そのことが嬉しくてたまらないというご様子。先生の楽しいお話が終わって、私は興奮気味に尋ねたものです。「金沢21世紀美術館のコレクションは素晴らしいで...

2017年5月21日

一日一華:庭仕事

日曜日は終日、庭仕事。 大した作業をしたわけでない。 大きな庭でもない。 なのに一日かかってしまう、不思議です。 チューリップの球根を20個ほど植え、 水仙の球根も20個ほど植え、 冬によく育つレタスを10株ほど植え、 バラを整枝し、 モックジャスミンのヘッジを切りそろえ、 サンセベリアを移植し、 サルスベリのために土壌を酸性にする薬品を撒き、 ワーム・ファームやコンポストに芝生の切り屑を追加し、 それで、もう夕方です。 庭は時間を吸い取ってしまう、とさえ感じます。 楽しい時間ではあるのです...

2017年5月11日

一日一華:忙しいわけではなく

インプロバイゼーション・アーティスト。 なんだかよくわかりません。 私の生け花の生徒のお兄さんが、そういう仕事をされているそうです。 豪州では唯一の存在であるようです。 おそらく世界的にもそのような仕事に携わっている人はあまりなかろうと思います。 面白いのはこの方の仕事観。 珍しい特技で、本人もそれで生活できるとは思っていなかったようですが、 次から次へと様々な依頼がやってくる。 それを夢中でこなしているうちに、キャリアを積み、 なんとかアーティストとして身を立てているということで...

2017年5月4日

21世紀的いけ花考 第58回

 今回も「日本文化=禅文化論」に対する素朴な疑問を続けてみます。 4、日本人の宗教心の根本は祖先崇拝。そこに関わるのが仏教。それに対し、婚礼など現世の通過儀礼に関わるのが神道。しかし、こうした役割分担は江戸時代に成立したものであるようです。本来、祖先崇拝は神道の担当だったのです。仏教は伝来した頃、飛鳥朝の頃でしょうか、ちょうど現在のキリスト教と同じような位置だったのでしょう。高尚で、ちょっとファショナブル。でも、祖先崇拝までは任せられない。つまり、歴史上、日本人の精神の根本には祖先崇拝や神道的なものがずっとあったのでしょう。ところがそれは、非常に分かりにくく、仏教の衣の中に容易に隠れてしまうという面があるようです。 5、達磨が中国に伝えた当時の禅と日本の現行の禅とでは大きな差があります。禅は日本化しています。神道化と言ってもいいかもしれません。そして、説明不十分ではありますが、もしかすると、日本人は、禅という衣を被った神道を信仰しているのかも?美意識、自然観、到達点などがあまりに似過ぎています。  以上のようなことを踏まえると、素人なりに一つの仮説にたどり着きます。空想と思って下さい。実は、日本文化即ち禅文化というのは誤解ではないか?鈴木大拙、京都学派、さらに日本政府によって作られた一つの宣伝ではないか?とすると、そこに何か意図があったのではないか、と勘ぐりたくなりますね。  おそらく、その意図とは神道の無視。まず、神道自体なかなか研究が難しい。禅関連の本ならゴマンとありますが、神道となる入門書さえ、怪しげなものが多い。さらにより重要なのは、神道が戦前の日本の政治に関わっていたということ。神国日本などというイデオロギーがまかり通るようでは、戦後の国際社会ではやっていけない。神道には蓋をしておこうという面があるのでは?反日主義者が多勢の日本のマスコミにとっても神道など目の敵かも。実は、戦前の政治に関連する神道思想など神道の変種でしかないのですが。  しかし、いけ花を日本人の精神と関連させて考えようとすると、禅だけでは説明できないのです。神道に行き着きます。本来、日本文化は神道文化。この歴史的にも妥当な提案に共感者はあるでしょうか?とりあえず神道に関心を持つ人がもう少し増えてもいいように思います。  この作品はあるクリニックにいけた商業花。道で拾った枝を整理して再利用しています。 五月にはメルボルンで開催されるArts...

2017年5月1日

一日一華:自作花器で

テーブルの足を逆につけて作った花器です。 もう少しいろいろ試してみようと思います。 こんな遊びを歓迎してくれるクライアントはありがたいです。 リシアンサスとフリージアを加えて商業花にしています。 本当は不要でしょうが。 日本滞在中、気をつけたことは最終日まで本屋に行かないように、ということ。 普段、私の読書はほとんどが英文。 そのせいもあるのでしょうが、日本語の本を見ると、手にしたい欲求が抑えがたく、何冊もの重い本を抱えて旅行することになるのです。 この注意はかなり守れまして、日本滞在の最終日に、東京の...

Shoso Shimbo

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