華道家 新保逍滄

2017年2月16日

一日一華:芸術と解釈と(2)


アストロメリア。
いろいろな使い方のできる楽しい花材です。

また、覚書です。
後でもっと考えられるよう、
思いついたことをメモしておきます。

先に、小説は無限の意味を生産する一つの生きた世界だ、というようなことをお話ししました。
http://ikebana-shoso.blogspot.com.au/2017/02/blog-post.html
そういう主張があるということです。
上質の小説とはそいうものだろう、と私は共感します。

では、現代芸術では、どうか?
おそらくそうはならないでしょう。
意味が無限に読み取れるというような作品はあったとしても、とても少ないか、
あるいは、現代「芸術」の範疇に入らないか、だと思います。

前者の例としては、デシャンの幾つかのほとんど意味不明な(と私には思える)作品などがあるでしょう。

後者の例はたくさんあります。現代芸術の定義、コンテクストを無視して作者が好きなように制作すれば、ほとんどが後者になることでしょう。

現代芸術では、むしろ意味を特定していく傾向があるようです。
つまり、無限に意味を生産するというより、
特定の意味が生産できれば良い、無意味であればお話にならない、ということ。

作品に意味を持たせること。
それも特定の意味。
作者が独自に求める、例えば「人生の意味」などではなく、
現代芸術で話題になっている、言わば流行している意味。
評者にわかる意味を伝達できるか否か。
そこが作品の命です。

私のような不明の者には、まるで流行の哲学というファッションを追いかけているだけのようにも見えてきます。追従ばかりじゃないか、と。

それでも、作者の立場では、ではどうしたら作品は意味を持つのか?
これが大事な問いになります。

一つのヒントはアプロプリエーション。
そのストラテジーを駆使する著名アーティストの一人が、Jeff Koons。
とてもわかりやすい例を示してくれています。

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