華道家 新保逍滄

2020年8月8日

生花道場 2020年8月の予定

 

日本の皆様のご参加歓迎いたします。日本語案内

15 August 2020
Special Program - Using more than 5 materials
Apply by 11 August


25 August 2020
Special Program with Mr Katayama
Apply by 11 August - New Deadline!
Mr Katayama agreed to facilitate 2 sessions on 25 August. A few more extra seats are available now.
Please apply soon. We changed application deadline because the participants need some time to prepare for this very special Dojo session.

5 September 2020
Ikebana Aesthetics Program - Line 1
Please check our post about the sessions in September & October. 

生花道場というのはかなり変わった企画だろうと思います。

海外における通常の生け花教室とは、違います。
基本的には民間の私的なビジネスです。
公的な機関でも、非営利を謳う組織でもありません。

実はたくさんの方々に御協力いただけませんかと
お願いしていますが、あまりいいお返事はいただけません。
それは仕方ないと思います。あまり儲かる話でもないですし。
素性もよくわからないということもあるでしょう。

それでも、
勝手なお願いであるにもかかわらず、ありがたいことに御協力くださる方はいらっしゃいます。時に、日本の花道界を代表するような方々から。

おそらく、いくつか面白い、独特なところを認めていただいているせいではないかと思います。

まず、ひとつは海外で生花振興を目的にしているというところ。関心を持って下さる方々は、海外での活動歴があるなど、海外での生花学習者のことを考えて下さる方であるように思います。
しかし、海外の生花学習者になんらかの関心を持つ方が日本にどれだけいらっしゃるでしょう?おそらく多くの方々にとってあまり関係ないですね。

海外の生花学習者を新しい市場として関心を持つ方もあるでしょうが、おそらく大きな花道流派の一部の方々などに限られるでしょう。また、海外進出したいということであっても、問題はたくさんあります。特定流派という家内企業の海外進出ということにとどまらず、日本の文化、生花を海外でどのように伝えていくかということになると、難しい、大きい問題がたくさん出てきます。お金だけ集めて、あとは勝手にやってくれというわけにはいきません。かなり覚悟のいることです。

生花道場にご協力いただける理由が、もうひとつあるかもしれません。それは生花道場が生花ギャラリー賞メルボルン生花フェスティバルとともに、海外における生花振興運動の一環だということだけでなく、それが、小規模ながら長く続いてきた活動の一環だとご理解いただいているせいだろうと思います。生花道場自体は新しいのですが、10年ほどの
ボランティアを含む活動実績が信用の裏付けになっているのかもしれません。そう考えると、信用というのは小さなものであっても簡単には手にできない、しかし、獲得できたなら強力な資産になると言えそうです。

とはいえ、非力の少人数が試行錯誤を続けている現状です。
様々な不理解や問題にも立ち向かっていかなければいけません。
最大の幸運は、とても優秀な方々が味方になってくれているということ。
スタッフには、いつか儲かる話も出てくるから、とか、次の世代のために捨て石になる覚悟を持ったらいいじゃないかと鼓舞しています。鼓舞になっているかはわかりませんが。

さらに、ありがたいのは、この事業を本業としてやる必要がないということ。
これはきちんと事業展開した経験のある方
はご理解いただけるでしょう。キャッシュフローの現状をみれば、ビジネスとして存続できるレベルではありません。
幸運にもそこまでの厳しさを求められません。

まあ、どこまで行けるのか。
自分の仕事も大事にしつつ、とりあえずもう少し続けていけたらと思っています。
いろいろ学ぶことも多いので、それらについてもいつか紹介していきます。

あらためて日本の皆様のご協力をお願いいたします。

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