華道家 新保逍滄

2018年5月28日

生け花ギャラリー賞について(3)

お知らせ:この度、Ikebana Gallery Awardでは蓑豊先生(兵庫県立美術館館長、金沢21世紀美術特任館長、大阪市立美術館名誉館長)に審査員としてご協力いただくことになりました。蓑先生は日本を代表する美術館長として国際的にご活躍中です。「超美術館革命」(角川新書)他著書多数。https://www.artm.pref.hyogo.jp/   先生の芸術に対するご見識の高さを審査結果に反映させていただけることでしょう。    私どもは今後ともより多くの生け花学習者へ、履歴書の受賞歴に記載できる...

2018年5月21日

一日一華:新書について

最近1年くらいについてですが、私の読書は多分80%くらいが英文。ほとんど学術関連です。 20%くらいが日本語。その約半分(つまり10%くらい)が小説などの娯楽としての読書、そして、他の半分が日本語での学術書。 日本語の学術書は、私の論文に使えるものが限られているため、結果的に新書が多くなっています。 新書というのは、私にとっては学生時代から特別なものです。 学生時代の友人と読んだ新書の冊数を競争したこともありました。 当時は1日1冊という勢いで読んでいたものです。 講談社現代新書、岩波新書, 中公新書な...

2018年5月17日

21世紀的いけ花考 第70回(最終回)

江戸後期、明治大正期にそれぞれいけばなブームが起こったという話でした。前者では生花(せいか)という単純化されたいけばなが目玉商品であり、後者では盛花という一層手軽に生け花を活けられる様式が目玉商品でした。 さて、3回目のいけばなブームが起こるのは戦後。そのブームの中心にいたのが草月流創始者、勅使川原蒼風。蒼風は従来の生け花を様々に批判していきますが、特に、模倣という一つの指導方法を否定していきます。初心者は模倣して覚えていくしかないように思えます。しかし、上級になっても模倣ということではいけない。作者の創意が尊重されねばならないということだったのでしょう。 西洋モダニズムの影響を受けて(というかそのいいとこどりをしつつ)自由花が1920年代に提唱され、その動きを引き継ぐように前衛花という目玉商品が注目を集めたのでした。キャッチコピーは、「生け花は芸術だ!」。「注目を集めた」と書いたのは、賞賛ばかりでなく、批判も多かったからです。本当に芸術か?芸術とは何だろう?そうした議論を避けることはできません。しかし、ブームの渦中にあっては、勢いのある議論がまかりとおります。蒼風らの運動には、旧来の生け花にまつわる種々のしがらみなども払拭できるかもしれない、という期待と後押しもあったのではないでしょうか。おそらく歴史的な評価を受けるのはこれからでしょう。...

21世紀的いけ花考 第69回

p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; font: 11.0px Helvetica; -webkit-text-stroke: #000000} span.s1 {font-kerning: none}  日本史上の生け花ブームは社会・文化現象。その歴史を調べることで、日本社会もよりよく理解できます。より深く研究しようという方が出てきたら嬉しいですね。また、ブームの研究は即ちヒット商品の研究。成功のコツは世間のニーズをつかんで、革新的で魅力ある商品を提供する...

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