多分、最も苦労した作品だったでしょう。
「人の顔」という題材。
初めての挑戦です。
試作品を何度か作ってみたものの、
まったく納得できない。
上手、下手ということではなく、
まるで人形のようなものしかできないのです。
子供の描く人の顔の方がまだまとも。
そこには生命感があるのです。
私の試作品はどうも生きている感じがしない。
生きていない人の顔は、芸術とは言えません。
そのため1ヶ月の制作期間中眠れない夜が何度かありました。
私の技術力の不足を何で補うか?
結局、針金をラフに丸め、からめ、
フレームにぶつけてみました。
あ、ようやく生きてきた!
展示期間中はとても人気で、
バララット市の担当者からも
大成功、と喜んでいただけました。
2年前のクリスマスに作ったマジカル・トンネルが好評だったため
再度依頼を受けたのですが、
なんとか、任務を達成できたようです。