華道家 新保逍滄

2018年2月22日

一日一華:生け花と存続可能性


今年初めて我が家の庭に植えたフウセンカズラがよく育ってくれました。
庭のブーゲンビリアと取り合わせ。
ガラス花器は生徒さんから頂いたもの。

さて、環境芸術についての発表が迫っています。
テーマは存続可能性と美学。
生け花との関連、などなど。

さんざん言われ続けていることですが、
現代西洋文明は特に環境問題において、存続不可能な状況。
その発展モデル、知の方法とも危機的です。

その根源は何か。
産業革命、植民地主義、君主制、資本主義の成立、ルネッサンス、
デカルト的二元論、ベーコン哲学、キリスト教だとか、アルファベットの成立だとかいろいろな説があります。

根本は、自然疎外。
自然を対象化し、資源とみなす考え方。

生け花にも同じ態度を持ち込んだのが、
新興いけばな宣言でしょう。
花など芸術的な自己表現の材料でしかない、という。
現在、生け花の主流となっている多くの流派に共通する態度です。

しかし、生け花は本来、自然と人との一体感、調和に根ざしたものだったのです。
それが、昭和はじめあたりから、西洋の自然に対する態度を慌てて学び、
生け花を変えていこうという動きがあったわけです。

今現在、西洋の方から自然に対する自らの態度への見直しが起こっています。
そのような見地から、異文化、ことにネイティブ文化への関心が高まっています。
日本の生け花は本来、一つのお手本を示すことができたはずです。
しかし、今現在主流になっている生け花に、その力はありません。

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