華道家 新保逍滄

2023年9月24日

サイゴンで生花パフォーマンス

HANADAYORI NIGHT  Music & Ikebana Performance




2023年9月にサイゴンで生け花パフォーマンスを行いました。

和・メルボルン生け花フェスティバルのPR、そして、和・メルボルン生け花フェスティバルの主要スポンサーであるメタセンツの香水の新製品の発表会でもありました。

この香水、HANADAYORIシリーズは、和・メルボルン生け花フェスティバルのひとつのプロジェクト、HANADAYORIにちなんだもの。HANADAYORIは、世界中から募集したリクエストに、世界各地の生花作家に応えていただこうという企画で、現在進行中です。

香水、HANADAYORIシリーズは3種類の製品のセットです。いずれも日本神話に登場する女神様にちなんだ命名です。
ゆず精油をベースとしたセオリツ。日本神話の瀬織津姫にちなんだ命名。
檜ベースのミヤビ。宮比の神(アメノウズメ)にちなんだ命名。
桜ベースのサキハナ。コノハナノサクヤヒメにちなんだ命名。

現在ベトナム、オーストラリアで発売中。専門誌でも高評価をいただいていますので、日本での発売も検討中です。

生花パフォーマンスについてはいろいろ思うところがあります。いろいろこだわりもあります。それについては別の機会に書いてみたいと思います。

ただ、展覧会でも何でもそうですが、私たちは、時間、材料、予算、人材、会場その他の様々な現実的な制約の中で、ベストを尽くそうと取り組んでいるのです。恵まれた条件で制作しているのだろうと観客側からは思われるかもしれませんが、実際は100%満足な状況で制作できるなどということはまずないのです。それでも今回は現地の方々に本当によくしていただきました。

宣伝活動も上手にしていただき、チケットは完売。オーストラリア領事夫妻ほか多数の方々にご覧いただきましたし、主要新聞の文化欄でも紹介されました。来年9月のメルボルン生け花フェスティバルに出展予定だという多数の方々にお会いできたのも嬉しいことでした。

2023年9月20日

自由花の教え方

 


このブログでは外国人に生け花を教えるのは難しいという話を何度もしてきました。しかし、そうした問題に拘って考えるという方はあまり多くはないのかもしれません。考えだすと大きな問題になってしまうので、面倒なのかもしれません。

生け花が、その最も重要な部分が理解されずに海外に広まるということ。まるでフラワーアレンジの一種として受け入れられ、教えられているということ。

「金になればいいんだよ。黙っていろ」というような方もあるでしょうが、日本文化が誤解され、その本質が理解されないまま広まっているということに、何か納得できないものを感じる、という方はないものでしょうか。海外における生け花の現状に不誠実なものを感じるという方はないものでしょうか。

最近、ある生け花展に出かけました。出展者はほとんど外国人です。ひとにぎりの優れた作品があるのに、大部分の作品には何かが欠けているのです。何だろう?

それは、生命感。生け花の生命です。

どうしてこのような作品になるのだろう?

ああ、もしかすると、自由花を学ぶ方法に問題があるのかもしれない、と思い至りました。自由花のお手本があり、そのお手本のデザインを真似しているのだろうけれど、お手本の本質は見落としているのではないか。

その本質とは、生け花の生命、あるいは詩性。

すると、自由花の教え方では、基本型を教える場合のように外に現われたデザインやスタイル中心で教えてはいけないのではないか。大部分の生け花コースは、自由花の指導においても安易な形態重視の指導を繰り返していますが、それでは生け花の本質は教えられないのではないか。西洋アレンジメントならそれでいいのかもしれませんが。形態に注目させるのではなく、もっと生け花の内的な機構に注目させるような教え方でないといけないのではないか。

そんなことを考えて、生け花道場の指導方法ももっと吟味していこうと思ったのでした。以下のような広告文を英語で書いて、Googleで日本語に翻訳してみました。

Application opens in November 2023. Book from our Schedule page. 

Visit our Curriculum page to find out why our one-year Ikebana Dojo program would help all ikebana students and teachers.  

We believe that there is a gap between basic styles and freestyles in many ikebana courses. After learning basic styles, students are encouraged to make freestyles such as "vertical arrangement" or "horizontal arrangement".  However, where is the connection between the basic and freestyles? The approach used in such courses can be called a style-based approach to freestyle ikebana. Such courses make many students confused, and will never teach the most important aspect of ikebana; meditation. 

Unfortunately, many ikebana practitioners, in particular outside Japan, are learning freestyle ikebana using the style-based approach, copying good "designs"(or something visible), and producing ikebana-like works that lack vital energy. The style-based approach is useful in learning basic styles because you can usually follow diagrams to make a good ikebana. 

To make a good freestyle ikebana, however, you need to develop a different competence to see and actualise invisible principles through meditation. Those ikebana principles are not easily visible but recognizable if gazed at by a selfless mind. We call such an approach the principle-based approach, which we use in Ikebana Dojo. We are trying to teach ikebana as art not as design.   

Our courses intend to teach the true essence of ikebana.  


上記の英語をGoogleの翻訳機能で日本語に訳してみました。下記の通り驚くほど性能が向上していますね。


申し込みは 2023 年 11 月に開始されます。スケジュール ページからご予約ください。


私たちの 1 年間のいけばな道場プログラムがすべてのいけばな生徒と教師に役立つ理由を知るには、カリキュラム ページをご覧ください。


多くのいけばなコースでは、基本スタイルとフリースタイルの間にギャップがあると私たちは考えています。基本的なスタイルを学んだ後は、「縦配置」「横配置」など自由なスタイルを作っていきます。しかし、ベーシックとフリースタイルの関係はどこにあるのでしょうか?このような講座で行われるアプローチは、フリースタイルいけばなに対するスタイルベースのアプローチと言えます。このようなコースは多くの生徒を混乱させ、生け花の最も重要な側面を決して教えません。瞑想。


残念なことに、多くの生け花実践者は、特に日本国外で、スタイルベースのアプローチを使用してフリースタイル生け花を学び、優れた「デザイン」(または目に見えるもの)をコピーし、生命エネルギーに欠ける生け花のような作品を制作しています。スタイルベースのアプローチは、通常は図に従うことで優れた生け花を作成できるため、基本的なスタイルを学ぶのに役立ちます。


しかし、優れたフリースタイル生け花を作るには、瞑想を通じて目に見えない原理を理解し、実現するための別の能力を開発する必要があります。これらの生け花の原則は、簡単に目に見えるものではありませんが、無私な心で見つめれば認識できます。このようなアプローチを私たちは原則ベースのアプローチと呼び、いけばな道場ではそれを採用しています。


私たちのコースは生け花の真髄を教えることを目的としています。

2023年9月15日

Shoso Shimbo

ページビューの合計

Copyright © Shoso Shimbo | Powered by Blogger

Design by Anders Noren | Blogger Theme by NewBloggerThemes.com