華道家 新保逍滄

2021年11月16日

生け花とポストモダン

 


河合隼雄対話集「こころの声を聴く」(新潮文庫)の中で、ちょっと気になる部分があります。村上春樹とのやりとりです。


河合「日本の読者はプレモダンの人もたくさんいるから、ポストモダンみたいに見える人もいるんですね。それも大きい問題でしょうね。モダンをまだ通過していない人(笑)(略)

僕が心配しているのは、西洋の場合はモダンを通過してポストモダンに行くけれど、日本がモダンを回避してポストモダンに行った場合です」

村上「それはすごい問題になりますね。(略)」


私は生け花の文脈で、生け花の近代化について考えています。戦中、戦後の自由花運動から前衛いけばなの生け花ブームのあたりのことになります。

私見では、生花における近代化はかなり曖昧な表層的なものだったと思います。日本文学における近代化などと比較して考えても、やはり物足りないですね。もちろん私の知見は極めて限られていますが、おそらく重要な問題を提起したのは山根翠堂ただ一人かなと思います。

そして、生け花では「モダンを回避してポストモダンに行く」ということが、かなりの可能性で起こりえます。それが「すごい問題になる」のかどうか。全くも問題ないということになるかもしれません。また、いつか、考えがまとまったら書くことにします。

生け花におけるポストモダンとは何か。

それを実践している方々が、ほんの数名ですが、あるわけです。その人たちの活動は刺激的です。


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