環境芸術においては倫理の問題が重要になってきます。
つまり、どんなに美しい作品であれ,
倫理的でなければ(すなわち、環境破壊の要素を含んでいれば)、
環境芸術として成り立たない、
環境芸術における美学も損なわれる、ということです。
生け花についても同様の問題が生まれてくるでしょう。
さて、倫理!ですが、これがなかなか難しい。
特に環境芸術における倫理となると、確固としたものではない、
変化するということが一層問題を難しくしています。
新しい知識がもたらされることで、ガラリと認識が変わってしまうことがあります。
例えば、豪州クーインズランド大学のTed Nannicelli は、The Interaction of Ethics and Aesthetics in Environmental Art (2018)という論文で、ヘリウムガスの入った風船を空に飛ばす環境芸術作品について、環境への負担が少ない、倫理上問題なく、美学を損なうことがない作品の例である、としています。
ところが、空に飛ばされた風船はやがて海に落ち、野生動物がクラゲと間違えて食べてしまうということが分かってきました。その結果、死んでしまう野生動物が多い。そこで最近は風船を飛ばすことをやめようという環境保護キャンペーンが起こっています。風船はピンで穴を開け、ゴミ箱へ(Pin it, Bin it)、というようなメッセージを発しています。
この新しい知識を持って、Nannicelliのあげた例を見直すと、
これはだめじゃないか、となるわけです。
私たちの環境倫理が今、非常な勢いで変化している、
成長しているように思います。
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