華道家 新保逍滄

2015年9月5日

2015年いけ花ギャラリー賞



2015年いけ花ギャラリー賞の発表までたどり着けました。
今回で4年目でしょうか。
http://ikebanaaustralia.blogspot.com.au/2015/09/ikebana-gallery-award-2015_2.html

いくつか気付いたことを書いておこうと思います。
次回のためにも。

1、日本人の参加が少ない。日本語の案内も出していますが、英語の壁か、超流派という主旨がよく理解されていないのでしょう。いくつかの流派でも内部でのコンクールはあるようです。そちらのほうが都合がいいということもあるかもしれません。
今現在のレベルですと、日本人には入賞はとても容易だと思うのですが。
無料の上、それほど面倒でもないはずですが、仕方ないですね。

2、審査員は慎重に選んでいますが、実に素晴らしい方々にご協力いただいています。超流派のいけ花コンクールであること、芸術としても通用するレベルを目指すべきと思いますので、人選としては国際的な芸術、ならびに広く日本芸術に通じた方が理想と思います。
 人数的にも適当だろうと思いますが、構成では日本人の方が少なくなるという状況です。生徒の反応で面白いのは、「日本人の審査員に選んでいただいて嬉しかった」というコメントでした。いけ花は日本のもの、日本人に分かってもらいたいという気持ちがあるのだなあという点は発見でした。同時に私が、いけ花をどう国際的な芸術の文脈に上げるかということを個人的に指向しているのだろうか、と気付いたのです。
 
3、さらに、今回特に気付いたことは、ファイナル・レベルの5作品に選ばれると、選考結果はあまり大きな問題ではないのではないか、ということ。審査員の意見が本当に面白いほど多様で、得点集計するまでだれが最優秀になるのか、全く予想出来ないのです。ですから、たとえ、5作品の中で評価が低かったとしても、「でもあの先生には上位と評価していただけたから満足」ということになりやすいように思うのです。つまり、結果であまり傷つくことが無いのではないか。コンクールのこの側面はとてもうまく機能しているように思います。

4、いろいろな文化圏からの投稿があります。国ごとに賞に対する態度が違うのが面白いと思います。もちろん、サンプル数が極小ですから、必ずしも文化的な違いとは言えないかもしれないですが。とかく競争心むき出しにする傾向があるグループもあるようで、面白いと言えば、面白い。さほど大規模なコンクールでもないのに。遊び心で付き合ってもらってちょうどいいのにと思うのですが。

5、やはり参加生徒からの喜びの声は主催者側の励みになります。とても喜んでもらえます。無料で参加出来、著名な審査員に作品を講評され、さらに数千人レベルのネットユーザーに作品を紹介出来るという機会はあまり無いように思うのです。

6、もう1点。これは驚いたことですが、フェースブックの写真が知らぬ間に消失していたということ。外部から応募があります。こちらで承認し、ページ上に写真が表示されます。しかし、このような方法で表示した写真を1年前まで遡って探すと、行方不明になっているのです。せっかく応募して下さった方の作品を選考の対象にしなかったということではいけません。今回のこの問題、なんとか修復はできたものの、どうしてこんなことになるのか不明です。今後、注意が必要。

7、あとは事務的な面での効率化。ピープルズ・チョイス賞のやり方を改善する必要があります。この辺は私達のビジネスセンスで改善していくことになるでしょう。スタッフはビジネス経験者が多いので助かります。

Shoso Shimbo

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