華道家 新保逍滄

2015年7月19日

2015年いけ花ギャラリー賞準決勝


恒例のいけ花ギャラリー賞、本年度の準決勝進出16作品の選出を終えました。
是非、ブログ、あるいはFacebookをご覧下さい。
Facebookでは、2015年7月末日まで人気投票も受け付けています。

私達選考委員の作業はこの準決勝作品の選出までと決めています。
これから決勝の5点、最優秀作1点が決まりますが、
これらの選出はボランティアの審査員の方々にお願いしています。

ありがたいことに、素晴らしい方々にご協力いただいています。

今回、生徒作品を多数見ていて、
今までにあまり感じたことのない思いをしました。
不愉快な思いと言っていいでしょう。
生徒作品ですから、力不足は仕方ない。
それは分かっているのです。
それでもなお、なんだか納まらない不満。

もちろん、私自身まだまだ修行中の身。
傲慢な発言は慎みたいと思いますが、どうも我慢出来ない。

いくつかの作品に生徒の精神の形が見えるわけです。
いけ花を制作していって、途中で投げてしまっている感じ。
山頂に到達するちょっと前、8合目あたりで気を抜いてしまったり、
あるいは、もっとひどいのは、ごまかしの近道を選んだり。
「こんなもんで充分でしょう?」
「まあ、ここらでいいや」
「こんなところで点が取れるかな?」
そんな態度が見えてしまう。

こんな不真面目な態度でいけ花をやるな、と言いたい。
現実的には、言ってはいけないんですが(笑)。

たとえば、ある種の茶花のように、
小さな単純な作品であっても、
そこに作者の精神の緊張感がびりびり漲っているような
作品に仕上げることができるわけです。

最後の最後まで花に食いついていく、
集中力を緩めない、
いけ花の修行とはそういう経験を重ねていくことだと思います。

いけ花が精神修養であるとは、そういう意味でしょう。
そこがきちんと体得出来ている人であれば、
常に力のある作品が作れるわけでしょうし、
人間的にも魅力的になれるのではないでしょうか。

子供に作法を教えたいからいけ花を習わせよう、
などというのは表層的な見方です。
実は、教育上もっと重要なことを学ぶことになるのです。
いけ花に必要になるのは集中力、忍耐力、ごまかさない誠実さ。
人間力の基礎と言っていいでしょう。
こういう力を蓄えたなら
他の領域(勉強、スポーツなど)でも
きっと存分に力を発揮出来るはずです。
例えば、精神の軟弱な不良などには絶対いけ花はできないのです。

今回は自分のことは棚に上げ、
愚痴っぽくなってしいました。


















Shoso Shimbo

ページビューの合計

Copyright © Shoso Shimbo | Powered by Blogger

Design by Anders Noren | Blogger Theme by NewBloggerThemes.com